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ドライバーのヘッドの大型化

近年の傾向として、ドライバーのゴルフクラブで400ccを超える大型ヘッドが主流になってきているのは、アマチュアゴルファーだけでなく、プロの間でも増えてきたことです。

これに影響を与えているのはT・ウッズが十年ほど前から460ccのドライバーを使っていることもあるのでしょう。世界のスーパースターの動きにはゴルファーなら誰でもが敏感に反応するわけです。

2005年と十年以上前の時点で恐縮なのですが、マスターズや全米オープンに出場したツアープロ達のドライバーをチェックしてみてもこの時点で既におよそ半数が400cc以上の超大型ヘッドを使用していました。

ビジェイ・シンやフィル・ミケルソンといった有名プロも460cc級のヘッドで300ヤード以上のビッグショットを連発していたことも記憶に残っているという人も少なくないでしょう。

アメリカが先行

ゴルフクラブ このヘッドの大型化のテーマについては幾度なく触れてきましたが、とりわけアメリカが先行して推し進めていました。アメリカで成功するということが即ち世界を制するという原則をクラブメーカーもしっかりと理解しているようです。

ビッグサイズの方が見た目に安心感を覚えますし、実際のゴルフスイングに不安感の強いアマチュアゴルファーは、クラブヘッドが大きいほど気持良くスイングできるというメリットがあります。

ヘッドが毎年大きくなってきた時代背景には2つの理由が挙げられます。性能面としてヘッドを大きくした方がヘッドの慣性モーメントが増加する点が一つ目のポイントです。

工業技術が年々向上

ゴルフクラブを選ぶ そして2つ目の理由は、ヘッドを大型化する工業技術が年々向上し、モデルチェンジするごとに大きくするという進歩に多くのクラブメーカーが追随できたためです。

ここで、スウィートスポットを外したミスショットに対するゴルフクラブの寛容さは、スウィートエリアの広さによって決まってくることを思い出してください。

ヘッドの慣性モーメント

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そして、スウィートエリアの広さはヘッドの慣性モーメントという要素として数値の大小で表現できるものです。

一般的には小さなヘッドよりも大きなそれの方がヘッドの慣性モーメントは大きいものです。

しかし、400cc超のクラブヘッドになってきて、ヘッド体積が大きい方が必ずしも慣性モーメントが大きいとは限らなくなってきました。

つまり、スウィートエリアが広いとは限らないのです。

その理由は、ヘッドの慣性モーメントが大きくなる設計を考えればヘッドの外周部に重量配分する必要があるためです。

しかし、ヘッドが大きくなるほどヘッドそのものを作る技術を開発するだけで精一杯で、ヘッドの周辺に重量を配分することが余裕を持って行うことが困難になってきたためです。

ドライバのクラブヘッドを設計するとしたら、45インチの長さではヘッド重量は195g前後が普通です。ヘッドのサイズを求めるほどその重さで作ることが大切になります。

たとえば、フェース高さが高いディープフェースで、しかもヘッド体積が大きく設計されている場合、当然フェース面積は広くなります。この場合、わずかに反発が良くなる高反発フェースが作りやすいことは確かです。

けれども、その反面、フェース部分に大きく重量配分されてしまい、フェース以外の部分は肉薄に作ること以外に選択肢がなくなってしまいます。

結果的に、外周部分の重量配分が満足できるものにならず、体積が大きくなるもののその増加の割合ほど慣性モーメントが大きくならないモデルも少なくありません。

そのため、ヘッドの体積は大きくなっても、それほどミスショットに寛容でないゴルフクラブも多いので、そのクラブがやさしいかどうかの判断は、実際の慣性モーメントの数値で決めるしかありません。

重心距離について

大型ヘッドで気を付けなければいけないポイントがもうひとつあります。シャフト軸線から重心までの距離を意味する重心距離についてです。一般的にヘッドの大型化の影響で重心距離は長くなります。

その結果、ヘッドのネック軸回りの慣性モーメントが増大して、インパクトゾーンでのヘッドの返りが遅くなる傾向が強くなります。

バックスイングからトップ・オブ・スイングでフェースがオープンになり、いつもスライスに悩まされているゴルファーにとってはこの点が問題になります。

重心距離の長く、ネック軸回りの慣性モーメントが大きなドライバーを使用すると、更にインパクトでフェースがオープンになって、ボールのつかまりが悪くなってしまう懸念があります。

重心距離が37ミリ程度、ネック軸回りの慣性モーメントが6500g平方センチ以上になってくるとヘッドの返りが遅くなって球のつかまりが悪くなる傾向が強まると言われています。

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460ccに近い大型のクラブヘッドの場合、重心距離が40ミリ以上でネック軸回りの慣性モーメントが7000g平方センチを超えるというゴルフクラブも少なくありません。

これまで使用していたゴルフクラブよりも重心距離が3ミリ以上長くなると、ほとんどのゴルファーはつかまりの違いを実感するでしょう。

そして、スライサーだとつかまりの悪さという点が非常に大きな問題になってきます。

逆に、フックボールが出るゴルファーが使うと、今までよりも左へのミスが出にくくなってくるというメリットもあります。

ゴルフクラブの製造メーカー側もこうした点は考慮して、大型ヘッドの場合は強いフックフェースに設計したり、ライ角度をアップライトにすることでつかまりの悪さを解消するような設計をしています。

大型ヘッドに強いフックフェースのモデルが多い理由は、スライサーにドローを打たせるためのものではなく、インパクトでフェースをスクエアに戻しやすくするための設計上の気配りなのです。

また、ゴルファーの中にはヘッドが大きすぎるせいで空気抵抗が大きくなることを心配する人もいるようですが、少なくとも近店に関してはそれほど神経質にならなくても問題ないと思われます。

もちろん、300ccと460ccとではフェース面の大きさが違うために空気抵抗に差は出ることは事実ですが、実測のヘッドスピードにその違いが与える影響はかなり小さいものに限定されるでしょう。

ヘッドの大型化の復習

大型ヘッドになると誰にでもやさしいかという点を中心に復習しておきます。まず、最初に基本的にそれは正しい判断と言えるでしょう。材質がパーシモンからステンレス、さらにチタンヘとドライバーの主流が大きく変化してきたことは次のことを意味しています。

まず、徐々に比重の軽い材質になってきたことが言えるわけです。これがヘッドの大型化を促進しました。大型ヘッドの定義としては、最低でも230㏄以上をこの場合には意味します。

さて、ヘッドの大型化がもたらした最大のメリットは、ゴルファーにとってこの上もないものがあるでしょう。

大型化することで、第一に挙げられるのがスウィートエリアがそれに伴って拡大する点です。スウィートスポットと言う意味では、フェースの面積がいくら大きくなってもポイントは一点だけです。

けれども、大型化したことによって、その周辺でミスがミスになりにくい部分が広がったのです。このお陰でミート率が劣るゴルファーでも、ミスヒットの確率が低いのだから、思い切ったスイングができます。

これで、ヘッドスピードがアップすることを期待できるということになります。その上、ゴルフクラブヘッドが大きくなった効果で、小さいヘッドに比較してゴルフクラブヘッドの重心位置がヘッドの奥になっていることは先ほど述べました。

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実際にスイングする場合は、ゴルフクラブのフェースが心持ち上を向いてロフトを多くなるため、当然、ボールは上がりやすくなります。

このようにメリットが大きな割合を占めるのが大型ヘッドですが、もちろんデメリットも確かに存在します。

それは、例えばヘッドが大きくなるにつれて、当然シャフトから見た場合の重心位置も先になります。

このせいでゴルフクラブヘッドの返り自体は悪くなる傾向が出ます。

そのため、フックフェースにしたりシャフトの長いゴルフクラブにするリシャフトを実行することで、クラブヘッドのインパクトを通過するタイミングを遅らせたりするなどの調整が必要な場合もあることです。

そのため、実際にゴルフクラブを選ぶ段階では、長尺かフックフェースのタイプ、もしくは重心角のより大きなタイプを選ぶ必要が出てくるでしょう。

さらに、ボールの上がりやすさやヘッドの返りをよくするための工夫が、予想以上にデメリットにならないように注意する必要も出てきます。

それは、ボールが上がりやすいゴルフスイングをする人が同じロフトのゴルフクラブで比較すれば、大型ヘッドでは吹き上がってしまう可能性を生み出すという意味です。

フック系の球筋の場合、ヘッドの構造的なつかまりやすさやシャフトの硬さなどを含めて慎重に吟味する必要が出てくると考えておいた方が良いでしょう。

ドライバーのヘッドの特徴として、重心が低くて浅い設計の「低スピン弾道」のタイプがこれまでよりも飛距離が伸びると評判になっています。

低スピン、つまりボールのバックスピンが減るわけですが、これによってランで飛距離を稼ぐ効果が期待できますし、サイドスピンが抑えられるために方向性の面からも精度が上がるという点に注目が集まっているのでしょう。

もちろん、重心が浅いことによってインパクトロフトは増えにくい傾向が強まりますからボールが上がりにくいといったデメリットも存在することは覚悟する必要があるでしょう。


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ゴルフクラブ,ドライバー,ヘッド,慣性モーメント

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