鉛を使った便利なチューンアップ
最近のゴルフクラブは60代前後のシニア層を顧客に考えたしたモデルが多いのは、購買層を意識したものだと言われています。
これによって、男性ゴルファーの平均的なヘッドスピードとされる40~42m/s程度でも軽すぎると思われる弊害が目立ってきています。
このような軽すぎるゴルフクラブがもたらす弊害はいくつもあります。
軽いなと感じながらもクラブのリシャフトを決断することができないというゴルファーは、鉛を使った便利なチューンアップを試す方法もあります。
貼り付ける鉛の種類はいろいろな重さがあります
この方法ならば、失敗してもすぐに元に戻せるので非常に便利な方法だと言えるでしょう。
ゴルフクラブに貼り付ける鉛の種類はいろいろな重さがあります。
一般的には鉛の裏側に付いている両面テープでクラブに貼って使う製品が多く見られます。
ゴルフクラブをわずかに重くしたい場合などには役立つアイテムのひとつです。
ゴルフショップに行けばどこでも簡単に手に入るでしょうし、ネット通販でも購入できます。
使い方は非常に簡単です。軽いと感じるクラブ、たとえばフェアウェイウッドやユーティリティークラブを重くしたい場合には、クラブを10グラム重くしようとするとヘッドに1グラム、グリップのすぐ下のシャフト部分に9グラムの割合で貼ります。
ヘッドとシャフトの両方に貼ることで、バランスを維持したままクラブの全体的な重量を重くすることが可能になります。
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ちなみに、バランスはスイングウエートとも呼ばれていてヘッドの利き具合を数字で表すものです。
アルファベットA~Eと数字のO~9の組み合わせで表記することは以前にも書きましたね。
ほとんどの市販モデルではバランスはCかDで、CよりDのほうがヘッドが重く感じるものです。
また、数字が大きくなるとヘッドがより重く感じるということを意味しています。鉛で重さを増やす方法はパターなどでも非常に有効でよく使われる方法です。
パターの長さは33~35インチ程度が一般的なものですが、長さが変わってもヘッド重量は変わらない仕様のモデルも多く見られます。
ヘッドの重さが変わらずに長さが変わる場合は、短くなったタイプほどスイングした際に軽く感じるようになるので、ゴルファーによってはヘッドが軽すぎるためにテークバックした際にクラブが安定しない状態になることがあります。
長いパターでは自分なりに構えることが難しくなるので短いモデルを使いたい場合もあるでしょう。
パターが軽く感じてしまいテークバックの動きが不安定になるゴルファーは、ヘッドのソール部分に鉛を貼ることでヘッドを重くしてみましょう。
貼り付ける鉛の重さは、振ってみて自分でしっくりと感じる程度の重さにすればいいでしょう。
ヘッド重量が増すとクラブヘッドの重みが以前よりも感じやすくなって、ストロークの安定性が増すことにつながるでしょう。
これまでの説明で鉛の効果に関してはかなりご理解が深まったと思いますが、一般論としてクラブヘッドの体積が大きいと、ネック軸回りの慣性モーメントも増加します。
この影響で、フェースの開き閉じの動きがゆっくりとしたものになります。そのため、最近の大容量ヘッドのドライバーの場合は、振り遅れたとしてもインパクトでフェースをスクエアに戻しやすいような工夫がされています。
それは、フックフェースにして、さらにライ角をアップライトにすることで実現しています。しかし、こうした試みはスライスの弾道を矯正できるほど大きな効果にはなりません。
インパクトでフェースが開きやすい傾向の強いスライサーにとっては、年々大型化するヘッドはインパクトでスクエアに戻しにくく、もっとスライスしやすい可能性があります。
そのため、大容量のドライバーを購入した状態のまま使うのではなく、少しでもスライスを抑えるようにヘッドの性能をチューニングする方法も理解しておくと、ゴルフプレーもずっと楽になると思います。
本来、スライスは一番長いゴルフクラブであるドライバーほど出やすいものと言えます。つまり、ロフト角とシャフトの長さの影響を受けますので、これらをチューニングすることが有効な方法であるはずです。
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実際のところ、ヘッドに手を加えなくてもシャフトの入れ方でロフト角は調整可能なのですが、チューニングは難しい方法になるます。
そこで、比較的容易なゴルフクラブの長さの調整と鉛の貼りつけでヘッド重量増加の方法で対処する方が良いと思います。
最初に、シャフトの後端部を半インチほど短くします。ゴルフクラブの長さが短くなればその分ミート率はアップしますし、スイングウェイトが3ポイントも軽くなります。
この軽くなった重さはおよそ約5グラムに相当しますから、その重量をヘッドに自由に付けることが可能になります。
ヘッドの返りを改善するにはネック軸回りの慣性モーメントを小さくすることだと説明しましたが、これは重心距離を短くすることで実現できます。
そのため、クラブを短くして得られた重量5グラムを市販の鉛板を使って、ヘッドのヒール端に貼ることで重心距離が少し短くできます。
ヘッドのネック軸周りの慣性モーメントを鉛板の貼り付けで小さくすることができるわけです。
これを長さを維持したまま、単純に5グラムをヘッドに加えようとすると、スイングウェイトが大きく変わってしまい、クラブを振れなくなります。
そこで、やはりクラブ長さを短くする調整と一緒に行ったほうが望ましいわけなのです。
具体的には45インチのゴルフクラブの場合、ドライバーのヘッド重量は約195gとすれば、半インチ短くした44.5インチでは、約200g。逆に半インチ長い45.5インチでは、約190gになるわけです。
大型ヘッドのスライスは鉛一枚でOK
ご存知のようにメタルウッドは、スイートエリアを大きくするためにヘッドの大型化が進んできました。ヘッドが大きくなることで慣性モーメントも大きくなり、結果的にはヘッドの動きも安定化してきました。
そして、スイートエリアが広くなっており、少しくらい芯を外しても本来なら曲がり具合が抑えられたクラブであってしかるべきなのに、意外とスライスボールが出てしまうことが目立ちます。
実は、クラブヘッドの大型化の影響で重心距離が長くなっていることと深くかかわってきているのです。重心距離を説明すれば、シャフトの軸線とヘッド重心までの距離です。
この距離が長ければ長いぶんだけクラブヘッドがターンするのに時間がかかってしまうことになります。
そのため、昔のクラブのつもりで大型のメタルヘッドでスイングすれば、重心距離が長い影響でにヘッドがスクエアに戻り切らないうちにインパクトに入ります。
結果的に、ボールにスライス回転が加わるという仕組みです。
この調整方法としては、鉛1枚張るだけでOKという人がいます。ヘッドがスクエアに戻ろうとするように鉛を張ってやれだけで済むという話です。
ヒール寄りの個所に鉛1~2グラム程度張るだけで、ヘッドは見違えるほどターンしやすくなるし、スライスはぴたりとおさまるということです。
鉛で長尺や軽量チタンドライバーのスライス対策
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チタンドライバーはメタルやパーシモンに比較して飛距離が伸びるというメリットがあります。
ゴルフメーカーのキャッチコピーやゴルファー仲間の評判に簡単に飛びついてしまって、こうしたドライバーを購入してしまうケースも少なくないでしょう。
しかし、予想外の出来事としてスライスが出たり右にプッシュアウトするという人も少なくありません。
その原因の一つととしてゴルフクラブにも原因があることを疑うべきでしょう。新しいドライバーが、それまで使用していたものより軽くなれば、こうした現象がよく見られます。
ゴルフスイングがこれままでの重いドライバーにまだなじんでしまっているせいで、体はそれに合わせたスイングスタイルになりがちです。
しかし、デカヘッドでも長尺シャフトのチタンドライバーの場合、全体的は総重量は、従来のものよりもずっと軽くなっているケースが見受けられます。
その影響で、コッキングをリリースするタイミングが従来のドライバーよりも遅れてしまう傾向があり、手の位置がボールよりも先行してインパクトに突入してしまうものです。
結果的には、右方向にボールが飛び出すようなゴルフスイングになっているわけです。
鉛の2グラム程度のシート1枚を用意すればこれでチューンナップして問題解決できることも不可能ではありません。
具体的に鉛を貼る位置はグリップの真下になるシャフトの部分です。こうするだけで、ドライバーがそれまでよりも重く感じるようなり、同様のタイミングでクラブを操れるようになるでしょう。
鉛のシート1枚が及ぼす効果は想像以上に大きくて、軽くて長いドライバーともなれば、ヘッドスピードはアップして、一般に良く言われていいるようにより遠くまで飛ばせることも可能になるでしょう。
鉛を貼る
ゴルフクラブに鉛を貼るというチューンナップに興味がある方もいらっしゃることでしょう。
鉛を貼ることの効果は、ヘッドの特定の場所の重量を増やすことで重量配分を調整するということです。
たとえばヘッド重量が200gの場合、5gの鉛をソール部分に貼って205gにしてやれば、スウィートスポットの高さをおよそ1ミリ程度下げることができますし、その他にもヘッド自体に重さのパワーが出てくるようになります。
5gの鉛を貼ってたった1ミリしか変わらないと感じるかもしれませんが、重心の位置を1ミリ変えるのは容易いことではなく、鉛を貼らないで1ミリ移動させるにはヘッドを再設計しなければならないほど難しいことです。
5gの鉛を貼ってスウィートスポットの位置を1ミリ変えてみると、アマチュアレベルのゴルファーでもクラブが少し変化したことを感じるでしょう。
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もちろんこれ以上ウエートを増やすともっと重心は変化しますが、それが許されるのは元のヘッド重量が軽い場合だけと考えましょう。
ここで、どこに鉛を貼るかという話ですが、スライス傾向を抑えようとする場合は重心距離が短くなる位置、即ちネック部分に近いヒールの端に鉛を貼ることは以前に紹介しました。
それでは逆にフック傾向を抑えようとする場合はどこに鉛を貼ればいいのかを説明しましょう。
フックが強いという意味は、インパクトでフェースが返りすぎることが原因と言えますので、ヘッドの返りが遅くなるように調整してやれば良いという話です。
そのため、スライスを抑えるときとは反対に、ヘッドのトウの端の部分に鉛を貼れば良いでしょう。
これによって重心距離を長くするのに効果が生まれて、ネック軸回りの慣性モーメントが増大してインパクトでフェースが返りにくくなるでしょう。
また、他に鉛を使ってできるチューニング方法としてどんなことがあるかというと、弾道も少しだけですが変えることが可能です。
たとえば、ボールが吹き上がりやすくて飛距離が出ないゴルファーならば、重心の位置が下になるようにソールの真ん中部分に鉛を最低でも5グラムは貼りたいところです。
スウィートスポットの位置が下がることで、その分だけバックスピンの量を減少させることができて、放物線のような風に対しても強い弾道が打てるかもしれません。
さらに、ヘッドの最後方に鉛を貼ることで重心深度が深くなり、インパクトでロフトが増えやすくなるでしょうし、スウィートスポットの位置も少し上げる効果もあります。
これによって打ち出し角度が高くなる上に、ボールにバックスピンがかかりやすくなりますから、ボールが上がりやすく、バックスピンも増加して安定した弾道になります。
十年以上前に発売されたテーラーメイドのr7クワッドは、383ccのこの時代ではやや小さな体積で最初からヘッドを183gくらいに設計して、ウェイトビス4つを使って狙ったヘッド重量にできます。
ウェイトチューニングをゴルファー自身が簡単にできるモデルですが、基本的には鉛を使ってウエート配分を変える方法と同じ原理です。
鉛のチューンナップの限界
一昔前であれば、鉛による調整と言うのはごく一般的なものでした。しかし、鉛を貼ったくらいではそれほど大きくバランスは違ってこないという意見があることも事実です。
ウェッジなどの微調整を別にすればクラブヘッドの重心にはさほど影響はないという考え方です。
とは言っても、トゥに貼ればヘッドが返りにくくなりヒールに貼ればヘッドの返しに効果があるという人がいることも事実です。
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多分に心理的な要素も含まれているのかもしれませんが、バランスが軽いと感じるようであれば試してみる価値は十分にあるように思えます。
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関連用語
鉛,チューンアップ,バランス,スイングウエート