大型ヘッドでミート率をアップさせるのが初心者には最適
およそ、10年ほど前のルール改正で、ドライバーのヘッド体積の上限が460ccと決められたことはご存知かもしれません。
この影響で年々大型化の一途をたどってきたドライバーのヘッド体積は400~450ccの範囲に落ち着いたものと判断しても良いでしょう。
クラブヘッドの大きなゴルフクラブを使うことで心理的な「当たる安心感」と実際のミート確率をアップされましょう。
初心者が大型ヘッドの欠点を最小限に抑えるのには、ボールがつかまる性能が高いたモデルを選んで、クラブを長さを長くしすぎないこと。これが、初心者にお勧めのゴルフクラブの選び方です。
ヘッドスピードの速いパワーヒッター
ここで問題になるのは技術的には初心者レベルであっても、体力的にはパワーがあってヘッドスピードの速いパワーヒッタータイプのゴルファーです。
残念なことに、ヘッドスピードが速くても技術レベルがそれに追いつかない若いパワーゴルファー向けに作られたドライバーは見つけにくいことです。
こうした方にはクラブヘッドが大きくてやさしく、シャフトは硬めで重量があり、長さはやや短めのタイプとなりますが、国内メーカーの市販品ではほとんど見つかりません。
ヘッドスピードが速いゴルフ初心者の人は、大きなヘッドで重くて硬いシャフトで構成されている海外メーカーの並行輸入クラブを選ぶのがひとつの方法ではあります。
さもなければ、純正シャフトではなくシャフトメーカーが製造した重量のあるカスタムシャフト仕様からドライバークラブを選ぶ必要があります。
スイートスポットの位置について
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どんなゴルフクラブのフェースにも「芯」というものが存在します。
この「芯」でヒットできたボールは、そのゴルフクラブのもつ機能を的確に生かして飛んでいきますし、打感もよい手ごたえが感じられます。
ゴルフクラブの用語の用語として、この「芯」を「スイートスポット」と呼ぶことが多いです。
スイートスポットをそのまま解釈すれば、スポットという言葉通りに「点」に過ぎません。
クラブヘッドのフェース上にある重心点がスイートスポットということになります。
クラブのカタログの中には「このクラブは最大のスイートスポットをもつ」という表現もありますが、これは正確な表現とは言えません。
スイートエリアとスイートスポットを混同したものだと言えるでしょう。
スイートエリアは、スイートスポットを中心に広がる面積を持つエリアのことですが、明確な定義というものはありません。
しかし、一般的な考え方としては、スイートスポットで打った時のボールの初速度に対して90~95%の初速を得られる部分をスイートエリアと解釈しているケースが多いようです。
この範囲が広ければ、打ちやすいクラブであり、飛んで、曲がりの少ないゴルフクラブという意味にもなります。
スイートエリアが狭いものでは1円玉よりも小さいものもありますし、広けものでは500円玉位のエリアをもつゴルフクラブもあります。
ゴルフクラブの製造メーカーは、スイートエリアの広いゴルフクラブを開発することに躍起になっています。
どのゴルフクラブにもスイートスポットは必ず存在しています。しかし、問題になるのは、これがフェースのどの位置にあるかということです。
これによって、ゴルフクラブの良し悪しが決まるというものです。理想的にはフェースの真ん中になるのがベストです。
スイートエリアに関してもスイートスポットを中心により大きなものが打ちやすいゴルフクラブですし、それを意識して大型ヘッドが開発されています。
けれども、ゴルフクラブには、ホーゼルがあるため、これが比重の重い鉄でできたメタル製のウッドや、アイアンでは、芯がどうしてもヒール寄りにずれることになりやすいものです。
そのため、クラブフェースの中心にそれをもってくることが非常に難しくしています。
また、スイートスポットをクラブフェースの中心になるようにしても、スイートエリアが小さい範囲であれば、常にフェースの芯でボールを打てるほどの上級者しか使えない難しいゴルフクラブと言えるでしょう。
最近では、このスイートスポットをいかにフェースの中心にもってくるかが開発のポイントになってきています。
そしてスイートエリアをなるべく大きくすることに重点が置かれています。大型のメタルヘッドや、キャビティーアイアンは、この発想から生まれたものかもしれません。
アイアン
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アイアンのヘッド体積はどうでしょうか。
ドライバーほど顕著ではありませんが、20年前のモデルと比較すると、アベレージゴルファー向けのモデルに関しては確実にアイアンも大型化が進んでいると考えた方が良いでしょう。
400ccを超える大型ヘッドのドライバーを使っている人の場合には、やっぱりアイアンも大きい方が相性がいい気がすると感じている人も少なくないでしょう。
結論から先に述べると、400cc以上のドライバーを使っている場合に「ドライバーの調子がいいのにアイアンの方向性に満足できない」、もしくは逆のパターンをよく経験するケースが多い方はアイアンも大型ヘッドにした方が効果的かもしれません。
一般論としてはアイアンもクラブヘッドが大きい方が、ヘッドの慣性モーメントが大きくなる影響を受けてスウィートエリアも広くなります。
打点のバラつくことの多いアベレージゴルファーにとっては、アイアンもヘッドが大きい方がやさしいと判断するのも間違いではないでしょう。
ヘッドが小ぶりな構造のマッスルバックですと重心距離は32ミリ程度ですが、キャビテイでヘッドサイズが大きいモデルは重心距離が40ミリ超になります。
この重心距離の長さが強い影響を与えるのは、ヘッドの返りやすさの目安と言われているネック軸回りの慣性モーメントに対してです。
一般的にいえば、ヘッドサイズが大きくて重心距離が長いヘッド構造ほどネック軸回りの慣性モーメントの数値が大きくなり、ヘッドの返りがゆっくりになる傾向があります。
このため、重心距離が長いドライバーと重心距離が短いアイアンの組み合わせにしてしまう弊害が生まれます。
ドライバーに比較してアイアンのネック軸回りの慣性モーメントの値が小さくなり過ぎて、操作性があまりに良いのでヘッドの返りが早くなってしまうことが問題になります。
そのため、ドライバーが好調な時には、アイアンは「つかまりすぎ」「引っかかりやすい」といったデメリットが出てくる可能性が高くなります。
逆にアイアンが好調な場合には、ドライバーのつかまりが悪くなって右方向へボールが飛び出すミスショットが出やすくなると言えるでしょう。
一流のツアープロの場合には、はこの組み合わせでクラブセッティングしている人が割と多く見かけます。
しかし、これは「ドライバーのゴルフスイングはティアップして打つし、飛距離を求めるのでアイアンのそれとは別物」という思考に基づいています。
ドライバーとアイアンのゴルフスイングをそれぞれ別なものにすることで、クラブに上手く順応できる技術があるわけです。
また、トッププレーヤーのレベルになるとドライバーでフックすることを嫌う傾向がありますので、つかまりが悪い大容量のドライバーも彼等には十分なメリットを感じるわけです。
大型ヘッドの市販アイアンに関しては、国内メーカー品では重くても軽量スチールシャフト仕様で400g程度です。
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この重量では、使えたとしてもヘッドスピードが45m/s程度のゴルファーまでが限界です。
さらにヘッドスピードが速いゴルファーなら、シャフトの重量が120グラム台の「ダイナミックゴールド」クラスの重いシャフトで構成されているアイアンクラブが必要になります。
これも並行輸入品から重いシャフトのついた大型ヘッドのモデルを探すか、日本のシニア・アベレージゴルファー向けの大型ヘッドモデルを重いシャフトに交換するしか対応策がありません。
くれぐれも軽いクラブを購入して手打ちのフォームになるようなことは避けてください。
軽すぎるクラブは百害あって一利なしと言えます。自分のヘッドスピードにマッチしないゴルフクラブを選んでプレーをするというのは、最初から上達の可能性に蓋をするようなものです。
例えば、ミズノプロツアービッグチタンなどを見てみましょう。
ミズノプロのラインナップでプロモデルという分類になりますが、必ずしも難しいゴルフクラブではありません。
逆に、ミズノがプッシュしているゴルフクラブというだけあって、ヘッドとシャフトのマッチングがすばらしいものです。
非常に打ちやすいゴルフクラブに仕上がっていると言えるでしょう。
クラブヘッドは重心角23度、ライ角61度とひじょうにボールがつかまりやすい仕様になっていて、シャフトはある程度のヘッドスピードの人が振っても十分対応してくれるしっかりしたものです。
このゴルフクラブであれば、スライサーでもボールがつかまりながらヘッドがスムーズに走ってくれますから距離の伸びが期待できるでしょう。
重量は318gと必ずしも軽くはありませんが、この位の重さなら少し重めの力-ボンシャフト付きのアイアンを使っているゴルファーでも、スチールシャフトのゴルファーでもバランスが取れることでしょう。
とりわけ少し重めのカーボンシャフトとはセットとしての調和をとることが可能でしょう。
メリット | ネック軸回りの慣性モーメント
ネック軸回りの慣性モーメントが増大化することは、必ずしもデメリットとは限りません。球がつかまりすぎて強いフックに常に悩まされているゴルファーにとっては大きなメリットです。
男子プロの場合、大型ヘッドを好む傾向があるように感じますが大きなヘッド慣性モーメントによる平均飛距離の上昇とフックしにくい特性が大型ヘッドの選択の理由として考えられるでしょう。
また大型ヘッドの中には、フェース高さが非常に高い超ディープフェースのタイプも出てきています。普通のゴルフ練習場ではティの高さが足りないのでは感じるほどです。
これは、形状バランスの点から無闇にクラブヘッドの投影面積を大きくできないということもありますが、そのほとんどは高反発ヘッドを少しでも得ようと意図したものです。
クラブフェースは円形の形状にできるだけ近い方が反発が高いと理論上から言えるのですが、実際のプロダクトではそうたやすく高反発を得る設計にするのは難しいようです。
極端なディープフェース
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極端なディープフェースのクラブヘッドはフェース面に重量が取られすぎてしまい、重心深度が浅くなり、その上ヘッドの慣性モーメントも小さくなってしまいがちです。
少しでも高反発化を優先しようとするあまり、他の部分の「やさしさ」に犠牲を強いているゴルフクラブも多く見かけます。
SLE規則適合ヘッドが増加するにつれて、超ディープフェースは設計的からはますます不利な状況が生まれてくると考えられます。
ここで、ゴルフクラブ全体から見た大型ヘッドの意味を考えてみましょう。
以前は長さが46インチが当たり前で、47インチや48インチといった長尺ドライバーブームの時代がありました。
当時はヘッドの体積が300ccくらいでしたので、ヘッドの慣性モーメントは小さく、また見た目にも全体の中でクラブヘッドが小さく難しく感じられました。
しかし、クラブヘッドの体積は450ccや460ccのものも多くなってくることによって、同じ長尺ドライバーを考える上でも300ccと460ccとではかなりやさしさの面で違いがあります。
しっかりと振り切るのは難しい面はありますが、ゴルフクラブの長さと重さをよく検討して、もう一度46インチ以上の長さに挑戦するには良いチャンスが巡ってきたと言えるのではないでしょうか。
長さと振りやすさの目安となるゴルフクラブ全体の慣性モーメントを検討してみると、46インチで45インチと同じような振りやすさを示す数値にするためには、クラブ総重量は280gくらいにしなければいけない計算となります。
その点を考慮して、クラブセッティングの際には十分に注意する必要があるでしょう。
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ゴルフクラブ,選び方,ヘッドスピード,大型ヘッド,ミート率