サンドウェッジの選び方
ゴルフクラブの中でもサンドウェッジは、バンカーショット、ラフからのアプローチショットなどその用途は多彩です。
他のゴルフクラブと比較して、サンドウェッジはゴルフコースで実に多く使われるクラブである点は皆さんも納得するでしょう。
ウェッジの中でも代表選手のような存在であり、14本のクラブの中には必ずと言って良いほどこれが入っているはずです。
グリーン周りでの使用率が格段に高いだけにゴルフクラブ選びも慎重にならざるを得ませんが、理解しておきたいのは、ヘッド形状が違うだけでその性能も大きく変わってくるという点です。
ネック形状
サンドウェッジの場合は、まずネック形状に目を向けることになるでしょう。
後方にフェースがオフセットされた「グースタイプ」と呼ばれるものとリーディングエッジが前に出た「ストレートネックタイプ」に分かれることに気が付くでしょう。後者はフェースプログレッションが大きいと表現されることもあります。
どちらを選択するかは自分の好みも当然入りますが、バンカーからの脱出のしやすさを一番に求めるならばストレートネックタイプのサンドウェッジがお勧めでしょう。
リーディングエッジが前に出ている構造は、ロフトを有効に使える分だけボールを上げやすいと言えますし、ザックリのミスショットを防ぎやすい構造でもあるというメリットも加わります。
基本的には、フェースを開き気味にして使用するタイプだと理解しておいても良いでしょう。
逆に、フェースプログレッションが小さい、いわゆるグースネックと呼ばれるタイプのサンドウェッジは自然にハンドファーストに構えることのできるゴルフクラブです。
フェースを開くとシャンクしやすい印象があると思います。そのため、ハンドファーストということになるわけですが、クリーブランドなどのアメリカのメーカーに多いタイプです。
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グースネックは、バンカーショットでもボールを左に置かないスタイルをとるゴルファーや、アプローチショットでボールを右に寄せてダウンブロー気味のゴルフスイングをするタイプのゴルファーと相性が良いと言えるでしょう。
また、ネック形状の違いはコースセッティングの違いからも相性の良し悪しがあります。日本のゴルフコースの多くは高麗芝のフェアウェイですが、これはボールが浮いた状態になりやすい特徴があります。
ストレートネックだとボールの下にクラブヘッドが入りすぎて、ボールが上がりすぎる傾向が見られます。
何年か前までは、日本のトッププロの間ではグースネックが幅を利かせていました。
グースネックの方がボールが上がりすぎない点と、スピンを利かせた低い弾道でダウンブロー軌道で打ちやすかった点が評価されたのでしょう。
その一方で、欧米のゴルフコースはその多くがフェアウェイも洋芝です。日本の高麗芝とは様相が違ってボールが浮いていない状態になります。
こうしたライではどれだけ上手く打てたとしてもグースネックだとボールは上がりづらいと言えます。
ストレートネックの方がボールを上げやすいのは明らかなので、アメリカのメーカーはストレートネックのサンドウェッジしか作らないという傾向があります。
バウンス
次にソール部分のバウンス角に目を向けてみましょう。
バンカーショットが得意でない人はバウンス角が大きなゴルフクラブを選ぶべきでしょう。
目安としては10~16度の範囲とすれば、砂のエクスプロージョンを利用しやすくなります。
そして、ダフリの度合が大きめになってもソールが砂の上を滑ってくれるのでザックリのミスが出にくくなるということも言えます。
逆にバウンス角が小さいサンドウェッジは、ダフリになってもソールが砂の上で跳ねないという特徴があります。
打ち込んだゴルフスイングの際にヘッドが砂の中に入りやすく、ソール面で砂がエクスプロージョンしにくいのです。
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浅い入射角でソールを上手く滑らせるだけのテクニックを持っているゴルファーや、フェースを思いきってオープンにしてバウンス角を付けてバンカーショットをするタイプのゴルファーに向いています。
バウンス角がどの程度付いているのかチェックするには、シャフトを地面と垂直にしてゴルフクラブを地面につけるとできます。
バウンス角が大きいゴルフクラブほどリーディングエッジの浮く程度が大きく、逆にバウンス角が少ないほど浮く程度は小さくなります。
バンカーからの脱出を主眼に置く場合、やさしく出すためにはある程度のバウンス角があることは必要条件ではあります。
しかし、それ以外にもソール幅にも気を付ける必要があります。ソール幅が狭いとバウンスがうまく働かずに、ヘッドの抜けが悪くなるからです。
ロフト
サンドウェッジはロフトの選択肢も多彩なゴルフクラブと言えます。
一般的には54度ぐらいから60度くらいまで店頭に並んでいますが、アベレージゴルファーの場合でしたら56~58度ぐらいが良いでしょう。
T・ウッズなどの一流のツアープロの間では60度のサンドウェッジを使う人も少なくありませんが、その場合はほとんどが56度のサンドウェッジも一緒に選んでいます。
一般のアベレージゴルファーが60度のロフトを勧めたくないのは、距離感を合わせる難易度が極端に難しくなるためです。
ロフトが増えるほどボールを上げやすいというメリットが生まれますが、打点のポジションが上下にズレるとうまく飛んだり飛ばなかったりします。
また、「だるま落とし」のようなミスショットが出やすくなる言えるでしょう。実際、T・ウッズも60度のサンドウェッジから1度立てて59度にして使っていると言われています。
また、サンドウェッジが60度1本だとアプローチウェッジとのロフト差が大きくなりすぎて、1OOヤード以内の距離感を合わせるクラブセッティングが難しくなります。
よほどアプローチショットが得意な人は例外ですが、60度のサンドウェッジは選ぶべきではありません。
ソールの盛り上がりのバランス
サンドウェッジの場合、ソールの盛り上がりのバランスに関しても注意した方が良いでしょう。
ソールがクラブフェースと接している部分はディッチングエッジと呼ばれ、逆にフェースの裏側に位置するソールの端の部分はトレーディングエッジと呼ばれています。
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ディッチングエッジからトレーディングエッジに至る部分と、ヒール部分からトウ部分にかけてのソールの肉づきのバランスは重要なところです。
日本製ではないサンドウェッジの中には、ディッチングエッジからトレーディングエッジの間に、丸く凹みがつけられているものもあります。
これによって、スクエアにアドレスした場合は、ショットが安定したものになることも期待できます。
意識して鋭角的に打ち込んだ場合でも、ちょうどフェースの裏側にとび出すた状態にあるトレーディングエッジが砂の抵抗を受けて、砂を薄く取りながら打つことが可能になり、その意味ではメリットがあることは確かです。
しかしながら、デメリットもあります。この場合、クラブフェースの開閉がうまくいかないケースがあります。
トレーディングエッジが出ている関係上、ディッチングェッジのほうが浮きあがったりするケースが予想されるのです。
これではショットをいろいろ打ち分けるという場合には不利に働きます。
ディッチングエッジからトレーディングエッジに至る部分のソールの盛り上がりは、フェースを開いても閉じても同じようなものになっていなければ使いにくいのです。
サンドウェッジを購入する場合、ソールのうねりに注意してみることが必要です。
実際に手にしてみて、オープンフェースやクローズフェースで構えてみて、ショットの打ち分けの応用が可能であると思えるサンドウェッジを選ばないと失敗してしまうでしょう。
クラブの総重量
また、サンドウェッジを選ぶ際にはクラブの総重量にもしっかりと目を向けて下さい。
バンカーショットが苦手なプレーヤーに多く見られるのは、打ち急ぎで失敗しているケースです。
そういうタイプのゴルファーは、クラブの総重量が軽いサンドウェッジは絶対に避けるべきでしょう。
軽量カーボンシャフトを装着したサンドウェッジを使用すると、軽さがこの傾向を増長して更に打ち急ぎやすくなる点を指摘しておきましょう。
バンカーショットが不得意ならば、他のアイアンは軽量カーボンシャフトを選んだとしても、サンドウェッジだけは軽量スチールを装着したモデルを選ぶ方が良いでしょう。
シャフトを重くすることで総重量が増して、クラブヘッドの重みを感じながらゆっくりとしたゴルフスイングができるようになるでしょう。
ゴルフスイングウェイトでみると、バランスはD3以上ある方がクラブヘッドの重みを感じやすいでしょう。アイアンのセット品にサンドウェッジが組み込まれているなら、D1ぐらいしかないサンドウェッジも珍しくありません。
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このため、打点が上にズレれば極端に飛ばない大ショートが待ち受けています。
ジャストでスイートスポットの辺りでボール捕らえた場合は、きちんと飛んでしまうということになります。
もし、そういうサンドウェッジを使っているのならば、クラブヘッドに鉛を貼るなどの工夫でD1を2ポイントくらい重くすることがお勧めです。
関連ページ
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関連用語
ゴルフクラブ,サンドウェッジ,グースネック,バウンス,ロフト