ユーティリティークラブのタイプ
ユーティリティーは大きく2つのタイプに分かれます。
アイアン型と呼ばれるフェース面がフラットでアイアンから派生したものと、ウッド型と呼ばれるフェース面に丸みをおびたフェアウェイウッドから派生したものがあります。
この2つは、実は使い方がまるで違ってくるので購入する際には注意する必要があります。
ウッド方とアイアン型では、それぞれメリット・デメリットがありますのでその違いについて少し説明しておきます。
アイアン型とウッド型
アイアン型とウッド型で最も違うポイントは、シャフトに対するフェース面の位置関係とクラブヘッドの重心の深さです。ウッド型はヘッドの横幅が広くなるのでアイアン型に比べて重心が深いのが特徴です。
そのため、インパクトでのロフト角が大きくなるのでバックスピンも比較的適度にかかりやすく、フェース面が前方に位置するためボールが上がりやすい構造になっています。
反対に、アイアン型は重心深度が浅いためにバックスピンはかかかりにくく、フェース面がグースネックと呼ばれる後退している形状なのので、ウッド型ほどボールが上がらないのが特徴です。
アイアン型のユーティリティークラブは、ヘッドスピードにかなり自信のあるゴルファーが、通常のロングアイアンよりもやさしく打てて、その上ボールが上がりすぎないクラブが欲しいとう場合に向いているクラブだと考えると良いでしょう。
ユーティリティークラブ ヘッドスピード
5番や6番といった番手のアイアンがスイートスポットは狭く、ボールが上がりにくく苦手意識があってうまく打てないとか、思ったように飛距離が伸びないというゴルファーは、ユーティリティーをうまく活用することでより楽しいゴルフプレーができるようになる可能性があります。
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ゴルフショップに出かけると、「スピン量が少なく、ライナー系で飛ぶ」「高さが出て、ランも出る」といったことをデザインの特長に掲げたたユーティリティークラブが、数多く並んでいます。
「ユーティリティ」という言葉の響きに、どんな場面に遭遇していても、ある程度の飛距離を出した何とかしてくれるとニュアンスが盛り込みすぎている感があります。
こういった飛べばそれだけでいいというユーティリティーも、活用法がないわけではありません。
しかし飛距離の隙間を埋める基本となる14本の中の1本としてとらえてみると選ぶ価値はそれほど高くはないでしょ。
ユーティリティークラブも、7番ウッドやアイアンといってゴルフクラブを同じで「グリーンに乗せる=「飛ばせる」イマージのものより「止められる」ことを重視してセレクトしていきましょう。
こうした観点から選ぼうとすると、ゴルフショップに並んでいる数多いユーティリティーの中でも、お眼鏡にかなうモデルはある程度絞り込まれてくるでしょう。
本来ロングアイアンで狙いたい飛距離を想定してみてください。この場合、ヘッドスピードや、ミート率は無関係です。あくまでも理想とする飛距離の意味です 。
そして、普段のゴルフコースラウンドなどで「この距離ならキャリーで十分に届く上に、ランが出すぎることがなくボールを止められる」というアイアンと飛距離が基準を基準に考えます。
ほとんどの人は7番アイアンはOKで6、5番あたりはグレーゾーン、4番からは無理というケースでしょうか。
この「止められる」限界のアイアンの番手よりも10~15ヤード刻みでキャリーを伸ばすことができて、ロングアイアンの役割を満たすユーティリティークラブを探すことを考えましょう。
ドライバーショットのヘッドスピード40~43m/秒くらいの人で、170~200ヤードぐらいの距離が該当すると思います。
ユーティリティーの場合は2本、3本と数を増やしたほうが、容易に止まる弾道を描けるエリアが広がると理解して構わないでしょう。止まらないアイアンクラブはできるだけ減らす方が良いでしょう。
長さと重さのバランス
3番アイアンに目をやってみるとロフト21°前後で、長さは38.5~39インチです。7番ウッドもロフト角は21°前後で、長さは41~41.5インチが主流です。
ロフトは同じでも、シャフトの長さと総重量、重心深度の効果から7番ウッドの方が飛距離が出ます。
であれば、ユーティリティもロフトは21°で、7番ウッドより短く、3番アイアンよりは長めのものをセレクトすると、飛距離も高さも適切に出るようになるように考えられます。
実際、市販のゴルフクラブの中でロフト角21°前後のユーティリティクラブでは、40インチ前後が主流です。
ここで、注意が必要な点は、モデルによっては7番ウッドよりも総重量が軽いユーティリティも販売されているということです。
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振りやすさを追及した設計のために、シャフト重量が軽すぎるのがその原因と推察されます。
ゴルフクラブのセッティングの鉄則は長い番手は軽く、短い番手は重くです。
ユーティリティクラブの場合は、アイアンセットを購入したあとから加えるケースが多いので、この点は忘れがちになるので注意してください。
LD値
ここ最近「LD値」がゴルフクラブのスペックを表わす項目として登場してきました。これは、重心距離と重心深度の積の数値です。
この数値が大きいほどボールのつかまりが良くなって、飛距離も伸びることが多いと一部のゴルフクラブメーカーが出てきていますが、まだそれほど市場の信頼を得ているわけではありません。
ボールのつかまりの観点に立てば、同じスペックでも重心角のほうがLD値よりはるかに大きな影響を持ち、飛距離の面ではシャフトとの関連のほうがはるかに強いとみる人も多いです。
一例をあげれば、重心深度80ミリで重心距離40ミリのゴルフクラブと重心深度50ミリで重心距離64ミリのゴルフクラブとを比較すると、LD値は同じですが重心角は前者のほうがずっと大きく、ボールのつかまりはいいでしょう。
重心距離と重心深度とはゴルフクラブの性能を決める重要なスペックであることは確かですが、単純にそれだけでは評価することは難しいと思います。
18度のUTをセカンドショットが上手く使う
UT(ユーティリティ)はロングアイアンの代わり、と認識しているゴルファーにありがちなのは、ロフトもロングアイアンと同じものを選びたがる傾向があります。
同じロフトの仕様であっても、UTはヘッドの機能が優れているためやさしく打てるはずだというのがその根拠になります。
こういう人に多いのは、同じUTでもアイアン型のヘッドを選ぶ傾向が強いようです。
アイアン型のUTの大きな特徴は、中空構造であるアイアンヘッドをベースにして開発されてされていて、ボリュームのある形状をしています。
UTの場合はアイアンより重心深度が深く、スイートエリアもある程度広いのですが、重心高さはあまり低くありません。
プロやハードヒッターが、風に負けない強弾道をやさしく打つのには向いていますが、ヘッドスピード43m/秒以下のアベレージゴルファーには扱いにくいので、あまりお勧めできません。
また、他のウッド型や中間型のUTでも、ロフトが20度以下のゴルフクラブは避けたほうが賢明でしょう。FWで18度でも打てるから、UTでも打てるとは限りません。
第一に、シャフトがFWより短いため、18度で打ち上げるだけの十分なヘッドスピードがなかなか出せません。また、FWより重心深度が浅いため、ヘッド機能としても打球を上げにくい面があります。
また、ラウンド中にロフト18度のUTが必要とされる状況が、どれだけあるかも問題です。落ち着いて考えれば、よりロフトの大きいUTや、ショートウッドでこなせる場合がかなり多いと思います。
風に負けない低い弾道の球を打ちたければ、3番ウッドを短く握って打つ方法でも十分かもしれません。ミスのリスクを増やすことになるUTをセッティングに加えるようになってしまっては、意味がありません。
同様のことが、ロフト13度の3番ウッドでも言えるでしょう。OBを避けるための刻み作戦のティショット用なら役に立つかもしれませんが、フェアウェイから打てる上級者は、限られています。
ロフトが立っているほど飛ぶという考え方は通用しません。ヘッドスピードが出せる長さと、それに適したロフトが、一番有効なキャリーと飛距離を出せるのです
ゴルフクラブの選択に迷ったら「長め、重め、ロフト大きめ」を基準にした方が後悔することは少なくなります。
短いUTのほうが、FWより当たらない
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ドライバーでも同じことが言えるのですが、45インチ以下のゴルフクラブでは、長さの違いでミート率はほとんど影響されません。問題は、他の点にあります。
長い番手がどれも当たらないとなると、クラブよりも先に自分の技術を疑うべきかもしれませんが。
FWやアイアンはそこそこ当たるのにUTだけ当たらないというゴルファーは、まず重量が最適かを疑ってみましょう。
長さが短くなれば、ヘッドの重量を増して振り心地を合わせていくのがゴルフクラブ選びの原則です。
しかし、単品でバラ売りされているUTの場合、他のFWやアイアンと関わりなく、とてもに軽く作られているケースがよくあります。中には、FWより軽いモデルさえあるでしょう。
アベレージやシニア向けのドライバーのように、振りやすいことは軽いことという関係が成り立っているようです。
しかし、UTはアイアン同様、地面やラフにあるボールを打つためのゴルフクラブですから、振りやすいだけを基準に選んではいけません。長さに応じた、適度な重量はどうしても必要になります。
軽く仕上がっている原因の大部分は、シャフト重量です。近年のドライバーは50~60g台、FWで50~70台が一般的ですが、UTも50~70台がほとんどです。これでは、FWとUTの重量が逆転することも出てくるでしょう。
まず、自分が使っているFWのシャフト重量をチェックしてみましょう。その上で、UTを選ぶ際に、少なくともそれより10g以上は重いシャフトになっているかどうかを確認します。
同一ブランドでも順番通りの重さとは限りません。FWとほぼ同じ重量帯のシャフトが採用されている場合もあるのです。
ちなみに、アイアンのシャフトが50g台の超軽量タイプを使用している場合。UTの方が長い分、さらにシャフトを軽くするか、せめて同じくらいの重量帯のシャフトにして、ヘッド重量でバランスを取る必要が出てきます。
それよりも、アイアンを重くしたほうがベターなのですが。パワーのない方でも、短い番手のゴルフクラブのシャフトは適度に重いほうがライ対応の幅が広がるのでおススメできます。
関連ページ
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関連用語
ゴルフクラブ,ユーティリティー,タイプ,アイアン型,ウッド型