FWとUTのポイント
前回に続いてフェアウェーウッドとユーティリティーについて補足しておきます。
ウッド型ユーティリティーのタイプのほうが、フェアウェイウッドと比較してクラブの長さが短いので、傾斜のあるライからは扱いやすいというメリットがあります。
けれども、ヘッドスピードが40m/s前後以下という人には、そうしたメリットを差し引いても、やはりボールの上がりやすいショートウッドの方がお勧めできるゴルフクラブです。
また、人によってはシャフトの軸線からクラブのフェース面が前面に出ているフェアウェイウッドは構えにくいと感じる人もいるでしょう。
けれども、特にヘッドスピードが遅いゴルファーにとってはボールを上げやすい方が飛距離アップに結びつきますので何度も素振りで感覚をつかんでフェアウェイウッドに慣れていくことをお勧めします。
非常に大雑把な表現にはなりますが、飛距離を重視すればフェアウェーウッドを選ぶことになり、スイングをマスターしやすいという点で言えばウッド型のユーティリティーを選ぶといったことになるでしょうか。
ボールの上がりやすいショートウッド
反対に、ヘッドスピードがやたらと速い人にとってみると、フェアウェイウッドはバックスピン量が多いことが災いして、アゲンストの風向きではボールが吹き上がりになったり、ほんのわずかな加減でサイドスピン大きくかかりやすくなるのが気になるかもしれません。
つまり、フェアウェイウッドの方がボールが曲がりやすい特性を持つことも知っておいてからゴルフクラブを選ぶのがよいでしょう。
それぞれゴルフクラブとしてどのような特性があるのかを理解して、自分が求めている性能を考慮しましょう。
そうすれば、選択するゴルフクラブはフェアウェイウッドかウッド型ユーティリティーなのか、あるいはアイアン型ユーティリティーなのかが絞り込めてくると思います。
スポンサード リンク
選ぶべきクラブのタイプか決まったら、次はモデルを絞り込む目的で重さを基準に考えます。
プレーヤーそれぞれには、自分のヘッドスピードに合った「タイミングよくスイングできる」重さが決まってきます。
その重さに従ってショートウッドやユーティリティーの重さは自然と定まるでしょう。
ゴルフクラブ選びの基本は、クラブの長さが短くなるほど重いものを選ぶということです。
そのため、ドライバーよりもフェアウェイウッドは重くなり、もっと短く設計されているウッド型ユーティリティーはフェアウェイウッドよりもさらに重いモデルを選択すべきです。
また、シャフトに関してもドライバー用→フュアウエーウッド→ウッド型ユーティリティーの順で重いシャフトを装着することを検討しましょう。
アイアン型ユーティリティーは長さの設定がアイアンに近いこともあり、シャフトもアイアン用のものを使用するので、使っているアイアンの重さを基準に考えればいいでしょう。
フェアウエーウッドはシャローモデルに人気
フェアウエーウッドの市場での売れ行きを具合をみれば、誰が見ても明らかなことはシャローフェースで投影面積が大きなモデルに特に人気を集めているといることです。
ドライバーのヘッドが大型化したことで、視覚的にあまり「顔」の印象が違うフェアウエーウッドにすると違和感が出ることが原因かもしれません。
理由はともかくとしてクラブヘッドが小さなモデルのフェアウエーウッドは人気が無いことは確かのようです。
中古市場ではプロギアの『GN502銀HIT』などに代表されるタイプが人気だった時期もありましたがその傾向は続いているようです。
高価なモデルであっても、それでもシャローを購入したいという人が数多くいるようです。
確かに、シャローフェースのモデルのほうがボールは上がりやすいし、ミスショットにも耐えられるだけのやさしいモデルが多いと言えるでしょう。
だからこそ、そうしたクラブに人気が集中するのは至極当然な話と言えるでしょう。
ユーティリティーの高い弾道
ユーティリティクラブがボールをグリーンに止める働きをするのは、スピン量が十分あるためと思われがちですが、それは少し違います。
ユーティリティの場合、高さのある弾道になることが止まりやすさを導いているのです。
ユーティリティは、アイアンより重心深度を深くできるヘッド形状です。しかし、その程度はフェアウェイウッドほど多くはありません。
スポンサード リンク
その上、グラウンドからボールを上げやすくする目的で低重心設計で作られている関係上、打ち出し角は大きくできても、スピン量は余り増やしにくいゴルフクラブなのです。
こうした点を考慮すると、ユーティリティの場合はロフトを大きくしたり、シャフトの長さなどをうまく活用することで高弾道を打ち出し、ハイボールでグリーンに止めることを狙うことが一番の選択肢なのです。
こうした点を考えると、ロフト角が16~18°のユーティリティクラブは、これまで考えていた以上に選ぶのが難しいことが理解できるでしょう。
こういうロフト角のゴルフクラブでボールを止める高弾道が飛び出すとしたら、必然的にシャフトが長く、重心深度も深めであるためにインパクトロフトが増えるといった条件が要求されます。
しかし、これでは打点のわずかなズレで、飛びすぎてしまうリスクも背負うことになるでしょう。
しっかりと高さのある弾道にするを最優先に考えた場合、ロフト20°以上がどうしても必要な条件になります。
20°未満のロフト角のユーティリティは、ヘッドスピードが50m/秒以上あるパワーがあるゴルファーでないと、最適な弾道を描くことは困難です。
現在直販されているフェアウェイウッドやユーティリティークラブには軽い設計に向かっている傾向があります。
ゴルフスイング自体ではなく、クラブの重さがミスショットの原因になっているケースも多く見られます。
コースに出ると、フェアウェイウッドやユーティリティーでのミスショットが多いというゴルファーは、使用しているゴルフクラブの重さを再度確認しておいた方がよいでしょう。
仮に、長さに対してクラブのトータル重量が軽くなっていないようなら、チューンアッブを施して調整する必要があるかもしれません。
ユーティリティの特徴
米国ではハイブリッドと呼ばれていたのが、ウッドとアイアンの中間的な形状が特徴のユーティリティクラブです。
この人気はアマチュアに限ったことではなくツアープロの間でも使っている人が少なくありません。
ユーティリティクラブは、メーカーやモデルによってデザインが大きく違っています。
大別きく分類するとアイアンに近い形状のタイプと、フェアウェイウッドを小型化した形状のタイプとの2種類に分けられ、その形状の違いから性能も全く違っています。
アイアン型のユーティリティについてですが、通常のアイアンと比較すればソールの幅を広くしたり中空構造にして重心深度を深くしようという設計上の目論見が見て取れます。
スポンサード リンク
しかし、重心深度を深くしただけの設計をすればスウィートスポットが高くなってしまう欠点が生まれるます。
そのため、重心を低くする目的でフェースの高さが低いシャローフェースの形状をとることが多く、ソール面を重くすることもあります。
従来からアイアンのタイプよりもスウィートスポットを低くすることによって、ベアグラウンドのような状況の悪いライでもボールを芯でとらえやすくなるように考えられています。
設計の基本はロングアイアンにありますからバックスピンがかかりにくい特徴があり、ティアップで使う場合でも、吹き上がりを抑えた強い弾道が狙いやすくなります。
そのため、アイアン型のユーティリティは、ヘッドスピードが速いプロが強い風の中でのプレーに使うケースが多く、とりわけ全英オープンや沖縄でのトーナメントでは毎年使用するゴルファーが増えています。
欠点としては、低重心を実現するためにタングステンなどの質量のある金属をソール面の1ヵ所に集中して付けているモデルが多く、スウィートエリアの広さの目安となる慣性モーメントは大きくなりにくいことが挙げられます。
ほとんどのアイアン型ユーティリティーのゴルフクラブは通常のキャビティアイアンよりも大きいのが普通です。
しかし、ヘッド慣性モーメントに関しては小さいのが実際のところです。
打点のバラつきが小さい上級者にとっては風に強い低弾道を打ちやすいゴルフクラブとして人気ですが、打点がバラつきやすい初級者には、決してやさしいゴルフクラブとは言えません。
中間型のユーティリティー
アイアンセットは5番から下だけにして、他はユーティリティーを使用するというプロ選手もいるほど、今やユーティリティーは既に定着した存在と言えるでしょう。
その中でも、人気の高いモデルとしてはキャスコのパワートルネード形状の中間型が一番のようです。
アイアン型のユーティリティーも確かにゴルフショップには置かれていますが、購入するのはごく限られたユーザーだけで、それほど売れ行きは高くないようです。
特に、中間型のユーティリティーの中でも少し長めのモデルのほうが人気が高い傾向も見られます。
スポンサード リンク
ロングアイアンを代用する役割というよりも、より飛距離が伸びるユーティリティーの需要が高いのかもしれません。
長めになったユーティリティーのモデルのほうが、ヘッドスピードがアップしてボールも上がりやすいというメリットがあることも確かです。
関連ページ
- 3番ウッドの必要性
- フェアウェイウッドの選び方
- フェアウェイウッドとロフト
- 7番ウッドの役割
- 7Wが増えたわけ
- フェアウェイウッドとドライバーを揃えるべきか
- ユーティリティークラブ
- ユーティリティークラブのタイプ
- FWとUTのポイント
- フェアウェイウッドやユーティリティーのつかまりすぎ
- フェアウェイウッドとユーティリティの比較
- フェアウェイウッド人気ランキング
関連用語
ゴルフクラブ,ユーティリティー,タイプ,フェアウェイウッド