ウェッジのストロングロフトとSWのバウンス角
アイアン・ウェッジのストロングロフト化についてはこれまでも触れてきました。
これは、クラブメーカーが、スコアを良くしようという意図でロフト角のセッティングをするのではありません。
ゴルフクラブの中でも特にショートアイアンだけはプロの飛距離に近づけようと意図してセッティングされた結果と言えるかもしれません。
これは別な表現をすれば、本来スコアメイクの中心になる100ヤード以内の短い距離を担当するゴルフクラブが手薄になります。
飛距離の出るゴルフクラブが集中しているのが、今のストロングロフトアイアンのユーザーの基本的なクラブセッティングと言えるでしょう。
具体的には、ピッチングウェッジのロフト角を44度、サンドウェッジを56度とすれば、その間に48度と52度のウェッジを追加して均等なロフト角を実現するといった具合です。
ゴルフプレーを楽しむコツ
ゴルフプレーを楽しむコツとして、ゴルフクラブはドライバーからサンドウェッジまでの間に入る11本のクラブが、距離が均等に打ち分けできるクラブセッティングが必要だと再三述べてきました。
ヘッドスピードが平均的な数字だとしたら、3番ウッドは使用頻度が低いクラブです。
そのため、思い切ってしてピッチングウェッジ以下のゴルフクラブを3本ないしは4本にするといった、短い距離が等間隔で打てるセッティングを充実させる工夫をすることがお勧めできます。
例えば、ピッチングウェッジのロフトが44度でサンドウェッジが56度なら、その間に48度と52度の単品のウェッジを入れて、番手間のロフト角の刻みを4度になるようにすることです。
また、ピッチングウェッジのロフトが45度なら、50度と54度のウェッジをクラブセットに加えて、サンドウェッジはロフトを58度にするというよう方法もあるでしょう。
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ウェッジの構成の幅を広げることで、短い距離でのフルショットで得られる距離が等間隔になります。
そこで、グリーンオンする確率もアップして、場合によってはペタピンでバーディを取れる可能性も夢ではなくなって楽しいゴルフが待っています。
ウェッジのロフト角設定を一度チェックしてみて、ストロングロフト設定になったアイアンクラブを使っていてスコアがまとまらないとか、グリーンに近い状況からのミスショットが頻発して短い距離に苦手意識が湧くことを防ぎましょう。
ゴルフスイングの技術面に問題があるのではなく、打ち分けることが難しいクラブセッティングになっている可能性も考えられます。
サンドウェッジの最適なバウンス角
サンドウェッジ(SW)選びでは欠かせないポイントとしてバウンスがあります。
これは、バンカーでの砂の弾きやすさを決める大きな要素と考えて構いません。サンドウェッジの性能を決める一番のポイントです。
このバンス角度が大きくなるほどバンカーでの砂の弾きが強くなります。
また。ソールが平らな面で構成されているモデルも砂を弾きやすく、丸みを帯びたソールだと弾きが弱くなりやすいと言えるでしょう。
下の図のようにシャフト軸線と直角な線に対するソールの角度をバンス角と呼んでいます。
サンドウェッジほど極端ではありませんが、ピッチングやアプローチウェッジにもバンス角はついています。
近年のモデルは、単品で販売されているものは「ロフト角」と「バウンス角」を選択することが可能です。
アベレージゴルファー向けのゴルフクラブの中でもアイアンセットに組まれているサンドウェッジは例外ですが。
ただ、バウンス角を選択できると言っても、どちらかと言えば「ロー(小さい)バウンス」のタイプが多いように感じます。
この状況は、おそらく上級者やアスリート志向の強いプレーヤーを対象にデザインされているるせいかもしれません。
バウンスについては、アプローチショットでの利用をバンカーでのそれよりも主体に考えればバウンス角は8度もあれば事足りるという考え方もできるでしょう。
必要があれば、フェースをオープンにすれば済むし、10度以上は多すぎると考えている人もいるでしょうが、必ずしもそれが正しいとは限りません。
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テーブルの上にSWのヘッドを置いてみて、バウンスが大きいと、刃が浮く状態になるから、これだとトップしてしまうと判断する人もいます。
しかし、これも正しくありません。通常のゴルフスイングではバウンスは芝やグラウンドに容易にめり込みます。
何も、コンクリートの路面からボールを打つことはありませんから、そこまで考える必要もないわけです。
バウンスは、リーディングエッジがグラウンドに刺さってザックリのミスショットになるのを防いでくれる効果を持っているのです。
また、地面がかなり硬い状況でも、SWでは心持ちハンドファーストに構えて上から打ち込むゴルフスイングになります。
このハンドファーストする分で、バウンス角の10度くらいは容易に相殺されてしまいますので、バウンスのせいでトップするという考え方は必ずしも正しくないのです。
中には「フェースをオープンにすると余計にバウンスが利いてしまうので、ヘッドが跳ねてしまう」と考えている人もいるかもしれません。
しかし、それはオープンにし過ぎているか、きちんと打ち込むゴルフスイングができていないためと考えられます。
バウンスがもたらす効果としては、上からヘッドを入れてもグラウンドに突き刺さらず、前方へ滑って抜けてくれる点です。
とりわけボールが浮きやすい日本の野芝では、バウンスはかなり大きめのゴルフクラブでも、跳ねずにスムーズに抜けていく点が、アメリカのボールが沈みやすい芝とは異なります。
バンカーではフェースは大きく開きアプローチでは少し開くといった使い方で効果があるのはバウンス角が12度以上の場合です。
では、何度までがOKなのかと気になる人もいるでしょうが、「アプローチ仕様の単品販売SW」という条件で考えれば、大きすぎるものは市販されていませんので気にする必要はほとんどないでしょう。
バウンスが効果的に使えると前方に飛びやすい理由は、ソールの接地角度をバウンスが決めるということを意味しています。
ライやゴルフスイングの方法によって、アプローチでのヘッドの入射角は微妙に違ってきます。
しかし、バウンスが接地して滑り出すことでロフトの角度が補正されて不安定ではなくなり、滑れば打点の高さも安定します。
結果的に、スピン量、ヘッドスピード、打ち出し角といった要素が安定してきて、最後の飛距離も安定するというわけです。
どちらかといえばバウンスの少ないPWやAWよりも、サンドウェッジが扱いやすい理由もここにあります。
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上級者の中にはLWのショットをやさしくするために、意図的にバウンス角を増やしている例もあるようです。
バウンス角が大きいほど、接地のタイミングでロフトが立ちやすくなるため、フェースをオープンにして、低く飛び出すスピンアプローチのテクニックが成立するのです。
ギヤ効果が発揮されて強いスピンがかかるという仕組みです。
これを生かさないということはある意味、「もったいない」ことです。
アプローチでSWを使うチューンアップ
アベレージゴルファーがゴルフクラブを自分で改造するには、サンドウェッジがもっとも取り組みやすく、その上効果も期待できる作業です。
そのサンドウェッジはバンカーショットに限らず、フェアウエーからも使える非常に重宝するクラブと言えるものです。
しかし、多くのサンドウェッジはバンカーショットを前提に作られているので、クラブヘッドは重く、ソール幅が広く、バンス角も大きいという特徴があるわけです。
このサンドウェッジをアプローチショットでも使いやすくするためには改造するには、2つの作業が必要になります。
まず、ロフト角を2度くらい立ててみましょう。これでバンス角は小さくなって、フェアウエーからも使いやすくなるでしょう。
さらに、フェースプログレッション(リーディングエッジとシャフト軸線との距離)も小さくなるせいで構えやすくなるとも言えるでしょう。
次に、ソールを削ってみることです。ソールの後方部を削って、ソール幅とバンス角を小さくするのが目的ですが、この際にはスイングウエートを確認しながら削ることが注意点とし挙げられます。
目安になるのはピッチングウェッジにしてこれと比較しながら削っていけばよいでしょう。
ソール後方部を全体的に削ることで、重心位置は以前よりも高くなり、リアルロフト角よりも打ち出し角は低くなります。
つまり、アプローチショットで兼用するための基本条件が揃ってくることになります。
バックフェースに穴をあけるという方法あることはありますが、そうするよりも見栄えが良くなる方法としては、ステレンレス製の場合はバフ仕上げと呼ばれる最終的な磨きを施すことで新品同様のゴルフクラブに仕上がります。
ダフリとザックリ
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スイング軌道が鋭角なタイプのゴルファーの場合、バンスの利きが小さなウェッジを使用するとリーディングェッジ側が刺さってザックリのミスが出やすくなります。
スイング軌道がフラットなゴルファーがバンスの利きの大きなウェッジを使うと、ボールに当たる前にソールが接地してしまうためにダフリになりやすいです。
リーディングェッジとソールのどちら側にキズが多いのかで自分がどちらのタイプなのか判断できるでしょう。
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関連用語
ゴルフクラブ,ウェッジ,ロフト,距離,ストロングロフト